AIがプレゼンのスライドを作成する時代が来た。キーワードを入力するだけで、AIが内容を膨らませ、画像を作成し、スライドを作ってくれる。
たった数十秒でスライドが完成するさまには、感動すら覚える。
本記事では、私が注目している2つのツールを比較したい。「イルシル」と「PowerPointのCopilot」だ。どちらも使い倒したうえで、おすすめを解説する。
今後AIツールを使いこなせるかどうかは、スライド作成のパフォーマンスを決定的に左右する。使いこなして数倍レベルの効率化を実現しよう。
イルシルとパワポCopilot
比較する2つのツールを簡単に紹介する。
イルシルとは
イルシルは、国産のAI搭載のスライド自動生成サービスだ。日本人向けで使いやすいのが特徴。
ユーザーは2024年9月時点で8万人を突破。かなりの勢いで伸びている。
PowerPointのCopilotとは
Copilot(コパイロット)とは、Microsoft 365に搭載された生成AIだ。副操縦士の名の通り、WordやExcel、PowerPointユーザーには強力なアシスタントとなる。
”PowerPointのCopilot”は、パワポ上で動き、スライド作成などを支援する。
結論|おすすめはイルシル
最初に結論を書く。日本のビジネスシーンなら、イルシルがおすすめ。
理由は、使いやすさと、デザインセンスの光るスライドにある。直感的に操作できるし、1000を超えるテンプレートが秀逸だ。
イルシルとCopilotを4つの観点で比較した。こちらがまとめの表だ↓
Copilotも特に悪い点は無いが、総合的にはイルシルの方が優れている。以降では、4つの比較項目を詳しく解説する。
① コスパ:引き分け(ユーザー次第)
コストパフォーマンスは引き分けだ。煮え切らない判定で申し訳ない。単純比較できないのだ。
まず価格は、次の通り。
イルシル | Copilot | |
---|---|---|
お試し版 | 0円 | 最初の1ヵ月無料 |
個人向け | 1,848円/月 パーソナルプラン | 3,200円/月 Copilot Pro |
法人向け | 3,278円/月 ビジネスプラン | 4,497円/月 Copilot for Microsoft 365 |
個人で使うなら、イルシルとCopilotで倍近い差がある。
単純に価格だけならイルシルの圧勝だが、Copilotは他のMicrosoft 365アプリ(WordやExcel)でも使える。WordやExcelでも生成AIの恩恵を受けられるため、高くてもCopilotの方がコスパが良い場合もある。ユーザー次第だろう。
金額以外のポイントも比較して決めよう
WordとExcelのCopilotの使い方の記事もあるので、何ができるか気になる方は参考にしてほしい↓
なお、ここではPowerPoint(Microsoft 365)の月額料金は考慮していない。すでにパワポが使える環境なら問題ないが、Copilotを使う場合、当然PowerPointも用意する必要がある。
イルシルはパワポに出力してもいいし、イルシル単体でスライドショーもできる。
② 使いやすさ:イルシルが◎
両方のツールを使ったが、イルシルの方がユーザーフレンドリーだ。”国産で日本人向け”をうたっているだけある。
Copilotは多機能すぎて、最初に何をすればいいか戸惑ってしまった。
簡単に、両ツールのスライド生成の手順を紹介する。
イルシルのスライド生成手順
スライド生成は3ステップ。
思いつくままに入力。
変えたければ編集する。
20秒ほどで十数枚のスライドが出来上がる。
たった4行のキーワードが綺麗なスライドになるのは感動的
直感的に次に押すべきボタンが分かるため、初めてでも簡単に使いこなせる。生成されたスライドは、パワポと同じ感覚でテキストやレイアウトを修正できる。
また、デザインを変えたければ、テンプレートをクリックで選ぶだけ。
より詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてほしい。
パワポCopilotのスライド生成手順
Copilotの手順も似ている。
並べ替えやトピックの追加ができる。
数十秒で20枚程度のスライドが生成。
あとは、使い慣れたパワポで編集できる。
生成されるスライドのデザインが気に入らない場合は、スライドマスターを編集する必要がある。Copilotも慣れれば問題なさそうだが、最初はいろいろ調べたり試行錯誤したりした。
Copilotの具体的な使い方は、こちらの記事を参考にされたい。
両ツールを比較すると、直感的な使いやすさという点で、イルシルに軍配が上がる。
③ スライドの出来栄え:日本ならイルシル
スライドの出来栄え・デザインも比較してみよう。
イルシルのスライドデザイン
デザインは好みによるところも大きい。だが、イルシルの方が安心感がある。見慣れていて、かつデザインセンスも感じられる。
イルシルには日本のビジネスシーンでよく使う構成のテンプレが1000種類以上あるため、テンプレをクリックするだけでこなれたスライドが出来上がる。
パワポCopilotのスライドデザイン
一方、パワポのCopilotは、海外風のカッコいいスライドが出来上がる。大きな画像とシンプルな箇条書きのセットが多い。
こういうスライドに憧れはあるが、いざ実務ではあまり見かけない気がする。どういった場でプレゼンするかにもよるだろう。
Copilotは、パワポに搭載される「デザイナー」でスライドデザインを変更できる。また前述したように、スライドマスターを使ってコントロールは可能だが、試行錯誤が必要だ。
あなたはどちらが好みだろうか?
④ 機能の充実度: Copilotが圧倒
機能はパワポのCopilotが圧倒的だ。次のような機能はCopilotにしかない。
- 多言語対応。英語でのプレゼンも安心。
- スピーカーノート(原稿)も生成。あとは読むだけ。
- WordやPDFファイルを読み込んでスライド化できる。
※現状、Copilot for Microsoft 365(法人向け)のみが対応。個人向けのCopilot Proは非対応。 - 画像生成AI(DALL-E 3)を搭載。オリジナル画像を生成できる。
- パワポの要約など、インプットにも使える
- WordやExcelでもCopilotが使える
Wordとの連携など、やはりMicrosoftならではの機能が強い。
ただし、”スライド生成”という本質に注目すれば、イルシルも十分な機能を有している。オリジナルテンプレートの使用や、他メンバーとの共同作業も可能だ。
スライド作成以外にどれだけ使うかにもよるね
比較まとめ
比較表を再掲する。トータルで見たときに、実務ではイルシルの方が即戦力だ
ただし、ユーザーの環境によるところも大きいため、まずは無料で試してみるのがいいだろう。
イルシルのフリープランは、パワポ出力・スライドショー以外ほとんどの機能が使える。
Copilot Proは最初の1ヵ月が無料だ。
- イルシルを無料で試す →
イルシル公式サイト - Copilot Proを無料で試す →Microsoft公式サイト
イルシルって初めて聞いたけど評判はどうなの?という方には、こちらの記事がおすすめだ。
おわりに
これからはAIをいかに活用するか、そのスキルが問われる時代だ。
スライド生成AIもまだ登場したばかり。今のうちに触ってスキルを磨き、一歩リードしたい。