パワポ(PowerPoint)にCopilotが搭載された。これからは、AIがスライドを作ってくれる時代だ。
これで面倒なパワポ作成ともおさらば!
…と思いきや、まだ限界もある。
この記事では、パワポのCopilotの
- 基本の使い方
- 使いこなすコツ
- できないこと
を解説する。
一通り理解してから使うと、遠回りせずに済むだろう。
PowerPointのCopilot(コパイロット)は2種類
パワポのCopilotは、次の2種類がある。
- Copilotウィンドウ
- スライド内Copilot
Copilotウィンドウ
【ホーム】→【Copilot】を押すと、画面右側に「Copilotウィンドウ」が立ち上がる。
対話型の生成AIだ。他のMicrosoft 365アプリと同じように使える。
ちなみに、Copilotウィンドウを開くオリジナルのショートカットは無さそうだ。なので、私はリボンに登録している。
これで、Alt + [数字]で開くことができる。(数字は、左から数えたときの順番だ)
この場合、左から2番目のアイコンなので、Alt + 2 で開くことができる。
リボンへの登録は、【ホーム】の【Copilot】で右クリックして、「クイックアクセスツールバーに追加」を押せばいい。
今後Copilotは毎回使うので、さっと開けるようにしておきたい。
もし有料版Copilotを契約しているのにPowerPointに【Copilot】ボタンがないときは、WordのCopilotの記事内の対応策を参考にしてほしい。
スライド内Copilot
2024年9月に、スライド左上にもCopilotボタンが追加された。スライドを新規作成したいときは、ここから始めるといい。
Copilotでプレゼンを新規作成する方法
パワポのスライドをまったくのゼロベースで作成する方法を紹介する。
プレゼン内容の入力
スライドを新規作成するときは、スライド左上のCopilotマークから開始するのがおすすめだ。「以下についてのプレゼンテーションを作成する」を選択する。
作りたいスライドの内容を入力する。ここでは、簡潔に「PowerPointのCopilotの使い方を日本語で説明する。」と入力して、Enterキーを押す。できるなら詳細に書いた方が、イメージ通りのスライドになるだろう。
(ちなみにShift + Enterを押すと枠内で改行できる)
数秒でプレゼンのアウトラインが作成された。
雑な指示なのに、ちゃんと内容膨らませてくれてる!
アウトラインの編集
アウトラインの時点で、ある程度編集できる。トピックの削除・並べ替え・追加が可能だ。
不要な項目があれば、ゴミ箱ボタンで削除できる。
順番を変えたかったら、左の並べ替えマークをドラッグして変更可能。
スライドを追加したい場合は、項目の合間の「+マーク」を押して、トピックを入力する。
アウトラインに納得したら、「スライドの生成」を押そう。
スライドの生成
数十秒で、23枚のスライドが生成された。
おお!一瞬でこんなに
良ければ、「保持する」を押す。現時点では、生成されたスライドに追加で指示することができない。なので、保持するか、最初からやり直すかの2択となる。
なお、生成後は「スライド一覧表示」になるが、画面右下「標準」ボタンでいつもの表示に戻せる。
標準ビューに戻ると、Copilotがちゃんとスピーカーノート(原稿)まで作成していることが分かる。
数十秒なのに気が利きすぎ
ファイルを読み込んで作成
実際のケースでは、既存のファイルを読み込んでスライド生成したいときもあるだろう。PowerPointのCopilotでは、ファイルの読み込みも可能だ。
プロンプトは、例えば次のようになる。
”ファイルからプレゼンテーションを作成する。/”
/(スラッシュ)を入力すると、続いて検索が可能になる。/の後にファイルのキーワードを入れると、該当するファイルの候補が出てくる。
私は最初この検索方法に戸惑ったが、慣れればフォルダを順番にたどるより速そうだ。
パワポをAIで自動生成するなら「
スライドを編集・追加する
新規作成したプレゼンの編集方法を説明する。次の3つだ。
- レイアウト変更(デザイナー)
- スライドの追加
- 画像の差し替え
レイアウト変更(デザイナー)
「このスライドのレイアウト、イマイチだな」と思ったら、デザイナーを起動しよう。【ホーム】のCopilotボタンの隣に【デザイナー】がある。
デザイナーには、選択したスライドのデザイン候補が複数表示される。
好みのデザインを選んでクリックすれば、スライドが置き換わる。デザイナーの候補が少ない時は、スライドマスターを使ってレイアウトを充実化させると良い。スライドマスターについては長くなるので、後述する。
スライドを追加する
情報が足りないなぁと思ったら、スライドを追加することもできる。例えば、「次の事項に関するスライドを追加する CopilotとChatGPTとの違い」と入力すると、希望したスライドが追加された。
後からどんどん内容を追加できるので便利だ。違うな、と思ったら生成し直せばいい。
ただし、スライドを追加するときにファイルの読み込みは使えない。
画像の差し替え
使われている画像がイメージと違ったら、画像の差し替えも可能だ。しかもCopilotは、画像生成AIである”DALL E 3”(ダリ)を搭載している。AIによる新しい画像も生成可能だ。
例えば、「ロボットがパソコンで作業している画像を作成して。」と指示すると、AIが画像生成してくれた。
「+ 挿入」を押すと、スライドに画像が挿入されるため、好きに使える。
だいぶ雰囲気変わったな
1発でイメージ通りの画像が生成されるとは限らないので、何回かトライしよう。
パワポのCopilotでは「スライドマスター」が鍵
Copilotでイメージ通りのスライドを生成するには、スライドマスターの扱いが鍵となる。
Copilotはスライドマスターを参考にする
Copilotを使ってプレゼンテーションを作成してみたが、何かダサい。なんだろう。パワポのデフォルト感が微妙な気がする。
でもこれ、実はCopilotというより用意したテンプレートの問題だ。
Microsoft公式サイトでも、パワポのCopilotを使う際に、次のレイアウトを用意するよう推奨されている。
スライドマスターを開く
ここでは、レイアウトの作り方をちょっとだけ説明する。スライドマスターの詳しい使い方は他のサイトに譲るとして、ここではポイントだけ挙げる。
まず、【表示】→【スライドマスター】を開く。
レイアウトを編集する
既存のレイアウトが並んでいるので、ホバー(マウスカーソルを乗せる)したときに「スライド〇で使用」と出ているものを優先的に変更しよう。
フォントやフォントサイズあたりを変えるだけでも、結構自分好みになる。
慣れてきたら、新規レイアウトも追加してみよう。先述したように、スライド生成時の選択肢が増え、表現が豊かになる。
レイアウトを大幅に変更したら、一度プレゼンを再生成した方がいいかもしれない。
最初だけ面倒だけど、一度設定すればずっとラク
もらったパワポの内容を把握する
Copilotはスライドを作るだけでなく、内容の把握にも使える。
同僚からボリュームのある資料をもらったときは、Copilotにまず要約してもらおう。「要約して」と入力すれば、要点を教えてくれる。
さらに知りたいことがあれば、「〇〇について詳しく教えて」と指示すれば、知りたい情報を取り出してくれる。
すべて目を通すより、何倍も速くインプットが可能だ。
ごちゃごちゃしたスライドの理解って結構大変だからね
パワポのCopilotでできないこと
あえてCopilotでできないことも挙げておきたい。できないことを知ることも、Copilot活用の近道だ。
現時点では、既存のスライドの修正や変更はできない。例えば、
- このスライドを日本語に変えて
- フォントサイズを12ptに設定して
などの指示は、受け付けてくれない。
新たにスライド追加の指示をするか、デザイナーで変更するのが選択肢となる。
いずれ機能が追加されるとは思うが、現時点では期待しない方が良さそうだ。
パワポのCopilotを使った感想
Copilotを初めて使ったときは、スライドが魔法のように出来上がるさまに感動した。しかし、何度かやるうちに慣れてしまった。
慣れると、アラが目立つようになる。一部のスライドだけ英語だったりと、まだ開発途上な感じが否めない。それでも、スライドマスターやプロンプトを工夫するうちに、実戦投入できるようになってきた。
いずれCopilotの完成度が上がれば、もう元の仕事のやり方には戻れないな、と感じている。
ちなみに現時点では、パワポを自動生成するなら「
あと実は、Copilotをチーム専用のデータベースにする使い方にも未来を感じている。
パワポに社内の知見を入れておき、Copilotに聞けばさっと回答してくれる。資料を基に答えるから的を射た回答が得られやすい。
非プログラマでも簡単に”生成AIに聞けるデータベース”が出来上がる。もちろん、Wordでも代用できるだろう。これにより、例えば特定の人が持つナレッジを共有し、引き出しやすくなりそうだ。Copilotに聞く前提なら、資料は綺麗でなくて構わない。AIが読めればいいのだから。
まとめ
本記事の下書きはテキストベースなので、WordのCopilotにまとめてもらった。
こういったまとめはCopilotの得意とするところだ。(WordのCopilotの使い方はこちら)
あと、Copilotを使い始めたばかりの人は、書籍で一度体系的に学ぶことをおすすめする。こちらの記事にCopilotのおすすめ本をまとめたので、ぜひチェックしてみてほしい。