たすくま(Taskuma)を使い始めたはいいものの、癖があって使いこなしに苦労していませんか?
たすくまは使いこなせば非常に強力なタスク管理アプリですが、慣れるまでが結構大変です。
この記事では、たすくま使用歴7年の筆者が、たすくまの使い方を丁寧に解説します。
買うか迷っている方も、使い勝手を想像できるようにわかりやすく書いていますので、参考になると思います。
とさか
- 大手メーカー勤務の30代会社員
- 独自のタスク管理術により、残業が当たり前の職場で17時退社を4年以上継続
- 飛び級で昇進試験をパスし、同期最速で係長に昇進
- 社内の技術文書コンテストで優勝
たすくまとは
たすくま(Taskuma)は、ちょっと変わったタスク管理アプリです。
他のタスク管理アプリと異色なのは、まずログ(行動の記録)を取ることから始める点です。
自分のすべての行動(歯磨きとか、朝食とかも)を記録していきます。
そのログを元に、定期的に繰り返す「リピートタスク」を作っていきます。
ちなみに、iPhone専用アプリです。iPadにもダウンロードはできますが、iPhoneと同期できないので、実質iPadでは使えません。Apple Watchでは使えます。
たすくまを使うメリット
たすくまを使うメリットを挙げます。
- タスクを確実にこなせるようになる
- 重要なことに時間を使えるようになる
順に説明します。
タスクを確実にこなせるようになる
たすくまでは、タスクにかかった時間を記録できます。
そして、次に同じタスクをやるときは、前回かかった時間をもとにタスクの処理時間を予測します。
つまり、タスクの実行にこれくらい時間がかかるだろう、というのを正確に予測できます。タスクリストにも、タスクの予測時間、予測終了時刻が表示されています。
通常、タスクが予定通りに終わらない最大の原因は、「見積時間の錯覚」にあると思います。
「ファスト&スロー」という本でも説明されていますが、私たちは、なぜかタスクを実際よりも早くこなせると錯覚してしまいます。
この本によれば、タスクの時間を見誤ることへの対策は「過去を参照すること」だそうです。まさに、たすくまの設計思想と同じですね。
たすくまを使えば使うほど、タスクが予定通りに終わるようになります。
予定通りに1日のタスクを完了できると、めっちゃ気持ちいい
この他にも、おすすめタスク管理本をまとめた記事もあるので、興味があれば見てみてください。
重要なことに時間を使えるようになる
たすくまを使う真の価値はこれ。意味ある人生を送るため、大事なことに時間を使えるようになります。
たすくまには、ほとんどすべてのタスクが記録されています。つまり、自分が何にどれだけの時間を使ったか、見返すことができます。
時間を分析することで、自分が本当に重要だと思うことに時間を費やせるようになります。例えば、無駄にダラダラしている時間が多いな、という気づきが得られ、その時間をより有効活用できるようになります。
たすくまを買おうか迷っている方は、たすくま購入前の自分の葛藤をこちらに書いています。参考になるかもしれません。
買ったらすぐにやりたい事前設定
たすくまを買ったらまずやるべき設定を紹介します。
- 言語設定
- セクションの設定
順に説明します。
言語設定
まずは言語設定をします。
デフォルトでは、すべて英語表記になっているため、わかりやすく日本語にしましょう。
「設定」タブを開き、Languageを押します。
「ぜんぶ日本語」を選択しましょう。
これで日本語表記になりました。
ただし、英語力を身につけたい方は英語のままでもいいかもしれません。
私は一時期英語の勉強のため、タスクもすべて英語にしていました。効果があったのかはわかりませんが…
時刻とセクションの設定
たすくまの設定で最も重要なのは、「セクション」の設定です。
セクションとは、”時間帯”とも言えるでしょう。
私たちが日ごろ使う「午前・午後」も1日を2つのセクションに分けていると言えます。
設定画面の「時刻とセクション」で、「日付変更時刻」と「セクション開始時刻」を設定しましょう。
日付変更時刻とは、たすくま内部で日にちが切り替わる時刻です。
なので、自分の就寝時刻よりも遅く設定しておくのがおすすめです。
0時までに寝る方なら問題ないですが、宵っ張りの方は、1時など確実に自分が就寝している時刻にしておきましょう。
でないと、自分が起きている間に次の日のタスクが始まってしまい、面倒です。
「セクション開始時刻」は、日付変更時刻と同じで大丈夫です。
では本題の、セクション設定です。
「セクション設定」を押すと、次のような画面になります。
ここで、画面左の「-」を押して、セクションを分けていきます。
(小さくて押しにくい…)
セクションの分け方に悩む方もいると思うので、考え方と自分の例を紹介します。
まず、セクションは2~3時間ごとに分けるのがおすすめです。
2~3時間に区切ると、良い集中力が生まれます。
例えば、
- 今日中にこのタスクを終える。
- 7~9時の間にこのタスクを終える。
だと、どちらが集中して取り組めそうでしょうか?
後者の方が、期限があるためタスクを完了できる可能性が高いです。これを繰り返すことで、1日のタスクをすべて完了できるようになります。
次に、セクションは行動の種類ごとに変えましょう。例えば、私の場合、次のようなセクション分けをしています。
- 1~7時:就寝→朝活。5時頃に起きて自分のやりたいことをやる。
- 7~9時:朝の準備。7時ごろに子供が起きるので、朝ごはんを食べて、仕事や保育園の準備をする。
- 9~12時:集中時間。午前は体も脳も元気なので、重要な仕事に集中する。
- 12~13時:お昼休憩。
- 13~15時:午後の集中時間。
- 15~17時:好きなことをやる時間。体も脳も疲れているので、負荷の小さな仕事をする。
- 17~20時:家族の時間。帰宅して晩ごはん食べて、お風呂入って、寝る準備をする。
- 20~1時:子供の寝かしつけ→就寝。
今は家族との時間、今は仕事に集中する時間、というように行動のメリハリをつけることで、タスクに集中できるようになります。
いや、そんな毎日同じ時間帯に同じ行動しないよ、って方はセクションを広めに設定すると良いでしょう。
まずは適当に設定して行動してみる、というのも手です。
使っているうちに、セクションの良い分け方が見えてきます
基本操作方法
基本的な操作方法を説明します。
新しいタスクの開始と終了
まずはタスクを開始しましょう。これから始める動作を入れます。
右上の再生ボタンを押します。
すると、タスクの詳細画面が開きますので、タスクの名前をつけましょう。
タスクが終わったら、停止ボタンを押します。するとタスクの評価画面になります。
気づいたことなどがあれば、コメントに残します。また、タスクの〇、×を付けます。〇、×はタスクが想定通りにできたか、などのチェックに使うといいでしょう。メモや〇×は後からレポートとして見ることができます。
特に無ければそのままでOKです。
次に、リピートタスクを作成するか決めます。
今実行したタスクが、定期的に繰り返されるものであれば、リピートタスクを「つくる」を選択しましょう。
これで、明日以降は自動的にタスクが生成されます。
最後に、「完了」を押します。
これでタスク終了です。
リピートタスクの開始と実行
リピートタスクがある程度増えてきたときの操作方法を説明します。
1日が始まると、リピートタスクがずらっと並びます。リピートタスクであれば、タスクの左にある「再生ボタン」を押すことで、タスクを開始できます。
再生するとマークがクマに変わります。終了したいときはクマのボタンを押します。
あとは先ほどと同様に終了時のチェックをします。
一時停止、並べ替え
タスクをいったん中断したいときは、実行中のタスクを長押しすることで、タスクを一時停止できます。
なお、開始前のタスクを長押しすると、タスクの開始時間を変えられます。
タスクを並べ替えたいときは、鉛筆(編集)ボタンを押します。
タスクの右側に並べ替えボタンが現れますので、並べ替えボタンをドラッグして好きな順番に変えます。
リピートタスクを使いこなす!
リピートタスクの設定方法などを解説します。
リピートタスク作成方法
リピートタスクの作成方法は次の2種類あります。
- タスクの完了画面から作る方法
- 既存のリピートタスクを複製する方法
一つ目は、先ほど説明したように、タスクの完了画面からリピートタスクを「つくる」を選択する方法です。
二つ目の、複製する方法を説明します。
まず、リピートタブから、作りたいタスクと似たようなリピートタスクを選びます。
右上の出力ボタンを押して、「リピートタスク複製」を選びます。
これで、コピーができました。
コピーを選択し、名前や内容を変更すれば、完了です。
リピートタスクの設定
リピートタブから、調整したいリピートタスクを選択します。
リピートタスクの設定画面が開きます。
いくつかの項目に分けて解説します。
プロジェクト、タグを設定する
自分の好きなプロジェクトやタグを設定しましょう。
プロジェクトやタグは後から自分の行動を振り返るのに便利です。
プロジェクト・タグの設定方法や、効果的な振り返りの方法はこちら↓で詳しく説明しています。
【関連記事】Taskuma(たすくま)のログ活用方法|読書時間が増えた!
開始予定時刻・セクションを設定する
タスクの開始時刻が決まっている場合、もしくは決まった時間に通知が欲しい場合は「開始予定」を設定しておきましょう。
開始予定時刻を設定すると、セクションも自動的に入ります。
開始予定もセクションも未入力の場合は、当日のリストの一番上に表示されます。
当日になってから適切な時間・セクションを決めるのもありです。
なお、設定を解除したいときは、時刻を右スワイプします。
たすくまは裏技的なアクションが多いですね。発見すると嬉しいですが笑
リピート間隔の設定
まずはタイプを決めます。
日、週、月、年の4つの繰り返し単位から選びます。
タイプを選択すると、それぞれに適した繰り返し方法が選べます。
例えば、週タイプだと何曜日にするか選べたり、月タイプだと月末を指定できたりします。
少し特殊な「日」タイプについて解説します。
日タイプを選ぶと、「参照日」という欄が出てきて、「基準日」か「完了日」かを選べます。
- 基準日:開始日を基準に、一定間隔で繰り返される。毎日や、1日おきに実行するタスクはこっちに設定。
- 完了日:タスクを完了した日から、設定した日数が経過するとリピートされる。例えば、換気扇の掃除や、散髪の予約、など。
ちなみに、繰り返しの間隔を0にすることもできます。
0にすると自動では現れませんが、リピートタスクを呼び出して使うことができます。
チェックリストの使い方
チェックリストの設定方法を説明します。
チェックリストはミスの予防に非常に効果的です。
飛行機のパイロットも、離陸前にチェックリストを活用しているそうです。
チェックリストを使えば、思い出す必要がないので、貴重な認知リソースを節約できます。
リピートタスクを開き、左スワイプすると、チェックリスト画面になります。
+マークを押して、リストを入力していきます。
まとめて入力してOKです。
改行すれば、一つの項目になります。
私は、チェックリストを次のようなことに利用しています。
- 出張の準備:出張に必要なものや手配をリスト化して漏れを防止。
- 日用品の購入リスト:月に一度、なくなりそうな消耗品(洗剤など)を確認して、まとめてAmazonで買っています。これで、「なくなったけど予備がない!」ということを防いでいます。
タスクができた日を振り返る
リピートタスク画面で上にスワイプすると、カレンダーが出てきます。
タスクを実行できた日に×がついています。
これで、いつ実行できたか確認できます。
例えば、筋トレを何日実行できたか、などに使えます。
リピートタスクの順番を入れ替える
リピートタスクのタブを開くと、繰り返しタイプ別にタスクが並んでいます。
これを、時間順で見たいときは、右上のボタンを押します。
上から時間順に並んでいます。
並び替えボタンを押すことで、タスクの順番を入れ替えられます。
例えば、ゴミ出しのついでに花の水やりをするのが効率的だな、と思えば、それらのタスクを連続させておきましょう。
他のアプリと連携する
たすくまは1日のToDoリストとしては最高なのですが、未来(明日以降)の予定管理は苦手です。
何日の何時が空いているか、などは分かりにくいんですよね。
だから、未来のタスク管理は他のアプリに任せて、それらと連携することでストレスフリーにたすくまを使いましょう。
私は、
- Googleカレンダーで予定管理
- Todoistで明日以降のタスク管理
をしています。
Googleカレンダーの予定を取り込む
予定管理は普通にカレンダーアプリでやりましょう。
私はGoogleカレンダーを使っています。使いやすいし無料です。
あとは、Googleカレンダーの予定を取り込むように設定しておけば、自動的にたすくまに予定が反映されるようになります。
Googleカレンダーの取り込みにはひと工夫いるので、こちらのページで解説しています。
【丁寧に解説】Googleカレンダーとたすくまを連携する方法
明日以降のタスクはTodoistで管理する
明日以降にやりたいタスクは、たすくまとは別にTodoistで管理しています。
今日と明日以降のタスクを切り分けることで、今日のタスクに集中できるからです。
Todoistは無料でサクサク使えるのでおすすめです。
Todoistのタスクをたすくまに取り込む方法はこちら↓をご覧ください。
たすくまとTodoist・Googleカレンダーを連携する方法【確実にタスク完了】
ログを分析する
たすくまには自分のすべての行動が記録されます。
この行動を見返すことで、時間の使い方がどんどんうまくなります。
たすくまで「過去ログ」を開くと、過去のタスク一覧や、下の画像のようなサマリーを見ることができます。
サマリーを見れば、自分がどんな活動に時間を費やしているか、よくわかります。自分は、過去ログを分析することで、無駄な時間を減らし、より重要なタスクに取り組めるようになりました。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。プロジェクトやタグの使い方事例も解説しています。
Apple Watchで使いこなす
Apple Watchがあると、たすくまが劇的に使いやすくなります。Apple Watchでたすくまを使うメリットは次の3つです。
- iPhoneを持たなくていい
- 操作ステップが少ない
- 消音でも通知がわかりやすい
たすくまはタスク開始・終了の操作が多いので、iPhoneだけだとずっとiPhoneを持ち歩く必要があります。
しかし、Apple Watchがあれば、iPhoneを出さなくていいのでストレスフリーです。
しかも、Apple Watchの方が操作ステップが少ないです。
Apple Watchでの使い方はこちらに詳しく書いていますので、ご参照ください。
自分は、ほぼたすくまのためにApple Watchを使っていると言っても過言ではありません。
まだ持っていなければ、たすくまのためだけにApple Watchを買うのもアリです。
最新版ではなく、安いApple Watch SEで十分です。
自分もいまだにApple Watch シリーズ4を使っていますが、特に不満はありません
もしたすくまが面倒になったら
最後に、もしたすくまを完璧に使うのが面倒になったとき、どうすればいいか書いておきます。
私は、たすくまを使い始めてから数年後、子供が生まれるとたすくまが少し面倒になりました。
赤ちゃんと生活していると、突発的なタスクが増えるうえに、その場でもたもたスマホを操作できないため、後からタスクをよく修正していました。
でも後からタスクを思い出しながら修正するのが面倒になってきました。
そこで、正確にログを取るのを思い切ってやめてしまいました。
しかし、正確にログを取らない場合、たすくまを使う意味はあるのか?と疑問になります。
それでも、次の2つの点でたすくまを使い続けています。
- タスクの漏れやミスがなくなる
- 良い習慣を定着化できる
特に二つ目の理由が大きくて、新しい良い習慣を作ろうと思ったとき、たすくまは強力にサポートしてくれます。
おわりに
たすくまは慣れるまでが大変です。操作方法もあまり直観的ではなく、そんな操作方法あったんだ!と思うこともしばしば。
それでも使いこなせば自分の人生を変える力を持っています。ぜひ使い方をマスターしていきましょう。
また、会社では個人持ちのアプリは使えないな~とお悩みの方は、こちら↓の記事が参考になるかもしれません。