TeamsのCopilot(コパイロット)は、数あるCopilotの中でもっとも即効性が高い。Copilotが会議をまとめてくれるため、聞くだけの会議に出なくてよくなった。これだけでばっさり1時間が浮く。
この記事では、実際にCopilotを使って効率化を実現している私が、TeamsのCopilotの使い方を解説する。
特に、
- Copilotの使い方がまだよく分からない
- 会議を効率化したい
- Teamsでの活用事例を知りたい
という人にぜひ読んでほしい。使ったときの思わぬ落とし穴も含めて、分かりやすく説明する。
TeamsのCopilot(コパイロット)は3種類
TeamsのCopilotはいろんな場所から起動できる。主に次の3種類だ。
- Teams全体のCopilot
- ミーティングCopilot
- チャットCopilot
Teams全体のCopilot
TeamsのCopilotが使えるようになると、チャットタブの最上段に「Copilot」が現れる。
このCopilotは、Microsoftアプリ上のデータを横断的に扱える。例えば、「社内で〇〇に詳しい人は誰?」のような質問ができる。
ミーティングCopilot
ミーティングCopilotは、会議中や会議後に使えるCopilotだ。
議事録の自動生成や、アクションアイテムの整理ができる。
チャットCopilot
チャットCopilotは、個人やグループのチャット画面で右側に表示できる。
過去のチャットをまとめたり、情報を探したりできる。
TeamsのCopilotの使い方・活用事例
具体例を出しながら使い方を解説する。次の6つだ。
- 会議中にCopilotを起動する
- 会議の議事録を作成する
- 欠席した会議を要約する
- チャットCopilotで情報を探す
- 全体のCopilotで情報を探す
- チャットメッセージを書き換える
会議中にCopilotを起動する
会議中にCopilotを使ってみよう。
会議中の画面上部のタブの[Copilot]を押すと、文字起こしの確認画面が出るので、[Start]を押す。すると、画面右側にCopilotウィンドウが立ち上がる。
文字起こしを開始したことは、参加者全員に通知される。Copilotでの文字起こしがまだ浸透していない会社では、「Copilotを使います」という断りを入れた方がいいだろう。
ちなみに、すでに他の参加者がレコーディングを開始していれば、そのままCopilotを使える。
起動できたら、会議中にもCopilotにいろいろ聞ける。
例えば、ちょっと遅れて参加した会議で「ここまでを要約して」とお願いすると、状況を瞬時に把握できる。これで、全体の進行を妨げることなく、スムーズに議題に参加できる。
会議の議事録を作成する
議事録の作成もCopilotなら一瞬だ。先ほどの会議中のCopilotに、
- 「要約して」
- 「アクションアイテムを作成して」
と指示するだけで、ざっと議事録が出来上がる。
私は議事録の精度を上げたいので、次のようなプロンプトを使っている。
以下の内容で議事録を作成して。#日付 #参加者 #各トピックで議論された内容 #結論 #アクションアイテムと担当者
指定した内容で毎回作成してくれるので安心だ。プロンプトをカスタマイズして使い回そう。
注意点として、対面とオンラインのハイブリッド会議では発言者が分からなくなる場合がある。
完全なオンライン会議であれば、誰がマイクオンして発言したかCopilotは簡単に認識できる。しかし対面の場合、一つのスピーカーで同じ場所にいる複数の人間が喋ることがある。そうなると、Copilotはどれが誰の発言か認識しづらくなる。文脈から誰が発言したかをある程度推測してくれるが、限界がある。
ハイブリッド会議では、議事録を書くときに発言者や担当者が間違っていないか必ずチェックしよう。
専門用語も誤字が多いので、自分の目でチェックしよう
欠席した会議を要約する
Copilotの中で私が一番お気に入りの機能はこれ。他の予定があって出られなかった会議でも、内容を簡単にキャッチアップできる。
普通の議事録と違うのは、自分の関心のあるトピックを深掘りできること。例えば、「〇〇のコストの観点の議論を教えて。」と指示すると、そのトピックについて詳しく教えてくれる。従来の議事録では省略されるような細かい点まで把握できるから、会議に出なくても情報を取りこぼす心配が少ない。
むしろ、アジェンダの大半が自分とは無関係な会議は、もう出なくていい。あとから自分の関わる部分だけCopilotに聞けばいいのだから。
出なくていい会議が増えて週に1時間は浮いてる
会議終了後にCopilotにアクセスするには、まず会議チャットを開き、[まとめ]タブを開くといい。
ちなみに、自分が会議に出られなかった場合、レコーディングか文字起こしをしなかった会議は、Copilotで後からまとめることができない。同僚にレコーディングや文字起こしをお願いしておこう。
すべての会議を文字起こしするルールができると良いのだが。
チャットCopilotで情報を探す
「以前Teamsでやり取りしたあのファイルどこにあったっけ?」という経験はないだろうか?私はよくある。
誰とやり取りしたか明確なときは、その人とのチャットを開いて、画面右上の[Copilot]ボタンを押そう。
「(ファイル名)を探して」と指示すると、チャット履歴からファイルを出してくれる。あるいは、「〇〇について田中さんは何と言っていましたか?」など、思いつくキーワードを入力してもいい。
なお、デフォルトだと検索する期間が直近1ヵ月のようなので、「2024年4月~9月の間で~」など期間を指定した方が良い。
個人チャットだけでなく、グループチャットでも有効だ。
全体のCopilotで情報を探す
先ほどは、誰とファイルをやり取りしたか明確な場合だった。しかし、それすら不明な場合もあるだろう。
そんなときは、全体のCopilotで情報を探そう。チャットタブから全体のCopilotを開く。
「(ファイル名)を探して」と指示すると、複数のチャットを検索してファイルを見つけてくれる。
他にも情報収集の例として、次のような使い方もできる。
- 「〇〇について、メール、チャット、ドキュメントから集めて」
- 「プロジェクトの活動状況を教えて」
- 「(社内用語)はどういう意味?」
- 「〇〇について詳しい人を教えて」
情報探しって意外と時間とられるから助かる
チャットメッセージを書き換える
チャットのメッセージ作成もお願いできる。まずチャットに要点を書き、[Copilotを使って書き換え]ボタンを押す。
[書き換え]を押すと自動で文章にしてくれるし、[調整]で文の長さや丁寧さも選択できる。
Teamsは組織内のチャットなので文面に気を遣わないし、正直あまり使う場面はない。それでも、わりと長文で同僚に何かをお願いするときなどニュアンスに悩む場面では時短になるだろう。
使ってみた感想
初めてCopilotで議事録を作ったときは感動した。議論された内容をまとめ、会話の流れからアクションアイテムと担当者まで出してくれた。自分はCopilotの先行ユーザーだが、議事録の精度には周囲も驚いていた。
従来のトランスクリプション(文字起こし)では、「えー」とか「まぁ」などのノイズも入るし、明らかにおかしな日本語だった。
だがCopilotの要約は完全に意味が通っている。Copilotは議事録作成に劇的な変化をもたらしてくれた。
TeamsのCopilotがあるおかげで、聞くだけの会議にはもう出なくていい。CopilotはWordやパワポでも使えるが、Teamsが一番わかりやすく効果が得られた。TeamsのCopilotだけでも月数千円かける価値がある。
昨今の働き方改革で、「聞くだけの会議は欠席しよう」と標榜されるが、実際には自分が置いていかれるリスクから実践しにくい。しかしCopilotさえあれば、会議に出なくてもキャッチアップできる。これこそ働き方改革だ。
これからは全員がCopilotユーザーになるべきだ。
まとめ
TeamsのCopilotの効果は実感しやすいため、会社でCopilotが使えるようになった人は、まずTeamsから使いこなすといいだろう。
また、Copilotを使い始めた人は、まず書籍で体系的に学ぶことをおすすめする。おすすめのCopilot解説本をまとめたので、参考にしていただきたい。