メールは時間奪い魔だ。メールを読んだり、作成に悩んでいる時間は意外と多い。私の周りでも、しばらくOutlookを開いたまま長文のメールを何度も修正している人をよく見かける。
これからはOutlookのCopilot(コパイロット)がメールチェックや作成をアシストしてくれる。伝えたいことを適当に打つだけで、メールが完成する。
メールの文面に悩むような無駄なことはもうやめよう
本記事では、OutlookのCopilotの使い方を具体例をまじえて解説する。Copilotユーザーはぜひ一読してメールを効率化してほしい。
※OutlookのCopilotは有料版(Copilot for Microsoft 365/Copilot Pro)でのみ使えます。本記事の内容は、有料版を契約している前提です。
OutlookのCopilot(コパイロット)のメリット
Copilot(コパイロット)は、Microsoftの提供する生成AIだ。Outlook(アウトルック)にも搭載されたことで、メール作業を気軽にお願いできるようになった。
OutlookのCopilotを使う大きなメリットは、次の3つだ。
- メールの時短
- 情報の一元管理
- 初心者でも扱いやすい
① メールの時短
マッキンゼーの調査では、ビジネスパーソンはメールに業務の28%の時間を割いているらしい。1日8時間働くとして、約2時間だ。驚くほど長い。
Copilotがあれば、
- メールチェック
- メールの作成
が短時間で終わる。半減すら可能だ。半減できれば、1日1時間が浮く計算になる。
② 情報の一元管理
Copilotは、他のMicrosoft 365ツールと連携できる。TeamsやWord、Excelの関連する情報をOutlook内で確認できる。必要な情報にすぐアクセスできる点が便利だ。
メールの下書きはChatGPTでもできるが、他のアプリとの連携はMicrosoftにしかできない。
コピペすら不要!
③ 初心者でも扱いやすい
Copilotは自然言語で指示するため、直感的に使える。難しいスキルの習得はいらない。
また、適切な敬語も教えてくれるため、ビジネス経験の浅い新人でも自然な表現のメールを書ける。
注意点|旧版のOutlookではCopilotが使えない
2024年10月現在、Outlookアプリは3種類ある。
- デスクトップアプリ(NEW)
- デスクトップアプリ(旧版)
- Web版アプリ
このうち、旧版のデスクトップアプリではCopilotの機能が大幅に制限される。環境が許せば新しいデスクトップアプリか、Web版を使おう。
以降では新しいデスクトップアプリを使って説明する。
OutlookのCopilotの使い方・活用事例
ここでは具体例を出しながらCopilotの使い方を解説する。事例は次の6つだ。
- メールの下書きを書く
- メールの下書きを調整する
- メールの内容をコーチしてもらう
- 英語でメールを書く
- 返信する
- メールを要約する
メールの下書きを書く
まずはメールを代わりに書いてもらおう。
ここでは例として、「知り合いでない人にアポを取る」という、なかなか難易度の高いメールを書かせてみた。
文面に気をつかうよね
新規メールを立ち上げたら、【メッセージ】タブのCopilotボタンから、[Copilotを使って下書き]を選択しよう。
[Copilotを使って下書き]が立ち上がるので、メールの要点を入力する。
[生成]ボタンを押すと、3秒ほどでメールが生成された。
良い感じだ。これなら微修正で済む。[保持する]を押すと、メールに反映される。
このくらいのメールを書くのに、自分だったら10分くらいかかるだろう。悩み始めたら20分かかってもおかしくない。それが、数秒だ。要点の入力と微修正を合わせても2分で済んだ。10倍レベルの時短だ。
敬語を考えなくていいのもラク
メールの下書きを調整する
先ほどの続きだが、Copilotが下書きが気に入らなければ、書き直しを指示できる。
一番手っ取り早いのは、[もう一度試す]ボタンだ。同じ指示で、再生成する。
意外とガラッと内容が変わるので、試す価値ありだ。再生成すると、左上に番号が現れ、戻るボタンで1回目の内容に戻すこともできる。何度か試して一番良いものを選択するとよいだろう。
また、[プロンプトを編集]を押すと、書き換えの選択肢が用意されている。
場面に応じて、さっと変えられるのが良い。
「詩的にする」って、いつ使うんだろう?
なお、選択肢以外にも、自分で追加の指示を出すこともできる。
良くなったら、[保持する]で確定しよう。
メールの内容をコーチしてもらう
自分で書いたメールについて、コーチングを受けることも可能だ。メールの内容を書いた状態で、[Copilot」ボタンから、[Copilotによるコーチング]を選択する。
すると、メール内容を分析して、いくつか修正点を提案してくれる。
たしかに、と思うものも多く、客先との大事なメールのチェックに使えそうだ。
最初に褒めてから修正点を挙げてくれる。見習いたい
また、この機能は新人教育にも使えそうだ。私が社会人になりたての頃、ビジネスマナーが分からず、メールを書くたびにネットで用語を調べていた。
ネットだと一般論しか出てこないが、Copilotならまさに自分が送ろうとしているメールについてレクチャーしてもらえる。これは非常にありがたいし、時短になる。
新人のときに欲しかったな
英語でメールを書く
ビジネスでは英語でやり取りすることもある。英語が得意でない場合、一苦労だろう。
Copilotなら、簡単に英訳できる。日本語の下書きがあるなら、[Copilotを使って下書き]を立ち上げて、「下記の文を英語にして。」と入力するだけでいい。
生成AIなら、自然な英語を出力してくれる。自分で考えたり、機械翻訳した英語よりよほど良い。ただし盲信はせず、専門用語など重要なワードが間違ってないかは必ずチェックしよう。
自分で考えるより30倍くらい速い
返信する
メールに返信するときもCopilotを活用しよう。メール返信画面に入ると、画面下にCopilotが返信の選択肢を提示してくれる。
[了解しました]を選択すると、返信メールを自動で作成してくれる。
短いメールだが、それでも自分で打つより速い。あと、返信を選択肢から選ぶだけなので、自分でほとんど考える必要がないのも魅力だ。思考力という貴重なリソースを、他の大事な仕事に温存できる。
メールを要約する
届いたメールが長文だったり、複数人で何度もメールが往復したりしたときは、Copilotの要約が役に立つ。
受信メールで[Copilotによる要約]を押すと、Copilotが要約してくれる。
要点だけさっと掴めるので、時短になる。
OutlookのCopilotを使った感想
Copilotを使ってあらためて思ったのは、「メールって内容の7割くらいがテンプレだな」ということ。自分が伝えたい情報は3割くらいで、あとは定型文に当てはめてる感じだ。
だから、OutlookのCopilotはすごく良い。3割入力したら、残り7割を完成させてくれる。生成AIは関連性の高い単語を繋げていくので、まさに定型文は得意とするところだ。自然な敬語が出てくる。
Outlook上で使えるので、他の生成AIアプリに移動・コピペせずに済むのもラクだと感じた。
あと何より、ユーザーの情報を使って下書きを生成するのがCopilotならではだ。他のMicrosoftアプリのデータも使い、メールの内容を補う。これはMicrosoftに統合された生成AIだからできる芸当だ。
アプリ間の統合は、今後もどんどん賢く、便利になっていくだろう。
まとめ
生成AIは文章の要約が得意だ。なので本記事もCopilotにまとめてもらおう。
例えば同僚に有用な資料をメールするときも、内容をちょっと要約してあげると相手も助かるだろう。自分で要約するのは手間だがCopilotなら一瞬だ。ちょっとしたことにどんどんCopilotを使っていこう。
Copilotを使える環境にある人は、ぜひ一度書籍で体系的に学ぶことをおすすめする。こちらの記事におすすめ本をまとめたので、ぜひ一度読んでほしい。